トンボ探索行

 朝、ちょっと遠くの溜池まで探索に出ようと自転車で出発した。
 夏の最中なので、帽子をかぶりタオルと180mm望遠マクロを付けたカメラをリュックに入れて。途中のコンビニでお茶を買いリュックのポケットに入れて先へ進む。
 雲が多い天候なので思っていたほど暑くはないが、それでもしばらく自転車を漕いでいると汗が噴き出てくる。
 日頃の探索行では車を使う。快適さはあまりにも違うが、風を顔に受けるのが気持ちがよい。
 自宅から山の方に向かったのでユルユルとした上りがひたすら続くがギア比と体力のことを考えていればそれほど苦痛ではない。

 途中、いくつかの溜池を通ったがウスバキトンボの集団とせいぜいオニヤンマ程度。前の週にあれほどいたチョウトンボとショウジョウトンボは影もない。場所が違うせいなのか足早に季節が過ぎたのか、よくわからない。溜池は周囲の土地から掘り込んで作られている、周囲より低いものと、土手を周囲に巡らせて作っているものとがある。土手が周囲に巡っているところはま水面が周りから死角になるためカワセミなどがいたりした。あと、アオサギなどがゆっくりと羽根を休めている。

 さて、目的の溜池は車の通りが多い県道から100mほど入り込んだところに端を発している。
 溜池の奥には民家は少なく脇の道を通る車はない。溜池の周囲は林に囲まれ、風が木々を揺らす音と溜池から流れ落ちる水音がする以外は音があまりしない。時折、サギやシギの鳴き声と羽根音がする。

 溜池は周囲5〜600mぐらいだろか。こちら側の岸は車道が通っているが向こう側は森の木々が水面に覆いかぶさる。抽水植物がまばらに生えている。

 ここもウスバキトンボが群れをなしていたが、水面にはウチワヤンマやコシアキトンボ、オニヤンマやギンヤンマが周回を重ねている。

 ウチワヤンマ。

 コシアキトンボ。

 ウチワヤンマやコシアキトンボはこういった枝先にとまり近づいている他のトンボに接近して追い払う。同じぐらいの大きさのトンボやオニヤンマのような大型のトンボに対しても果敢に勝負を挑む。
 他にもシオカラトンボがいて、やはり同様に縄張り争いをやっている。

 シオカラトンボ

 イトトンボ類は、撮れなかったのがクロイトトンボ、アジアイトトンボかアオモンイトトンボの仲間らしいのがいた。
 何よりも嬉しかったのがフラフラと飛ぶ爪楊枝みたいなキイトトンボを一匹だけ見つけたこと。

 キイトトンボ

 別な時間帯に来ればまた別なものが見れたかもしれない。ここは楽しみな場所になるではないかなと言ううれしい予感がする。

 トンボ以外にも様々な蝶がいた。
 水辺ということで、給水しているアオスジアゲハやら黒系のアゲハ、ナガサキアゲハ、カラスアゲハ等々。

 鳥はシギやサギの他、対岸の森の中に逃げ込むカワセミの姿があった。

 今回は朝のうち1時間程度の滞在で帰ったが、明日以降違う時間帯に来て様々な虫や鳥との出会いを楽しもうと思う。