いろいろ

 先週金曜日までの情報セキュリティEXPO見て、一泊余計にして土曜日に帰ってきた。
 情報セキュリティEXPOでは、会場で思わぬ人とあったり、すれ違ったり。
 TwitterのFollowerさんが何人も会場入りしててReplyしあいながら結局行きあえず。まぁまたの機会にと言ったところでしょうか。

 休みを取った土曜日は概ね天文関係のShopを回った。自動追尾関係の相談、冷却改造カメラについて。などなど。

自動追尾

 自動追尾に付いての問題は、ガイド鏡が原状ではBORG60nでイメージシフト方式を使っていると言う事で、北斗七星周辺の銀河を追尾する際に望遠鏡の視野内にガイド鏡で追尾出来る程度の明るさの星を見つけるのに苦労すると言うこと。対応策としては
 1)イメージシフト方式をやめてガイド鏡の方向を変えられるようにする
 2)CCDカメラ(原状はWEBカメラ)をより高感度な冷却CCDに変更する。
 3)ガイド鏡の口径を上げてより暗い星まで対応可能にする。
 等がある。

 1)イメージシフト装置を導入したのは長時間露出によるガイド系のタワミによるガイドエラーを排除するため。SC64を使っての撮影では露出が30分になる場合もあってガイドエラーの要因は排除したいのでこれは却下したい。
 2)ガイド用のCCDカメラを冷却CCDに替えると言うのは、価格の面から却下。
 3)ガイド鏡の口径を上げるというのは、例えばKENKOのSE102とかSE120等の安価で口径が大きい望遠鏡を光学系に採用するという方法。KENKOの屈折望遠鏡は撮影用には向かないけどガイド鏡ならば十分な性能ではないかな。鏡筒のみなので価格も安いし。
 と言う事で、しばらく先になると思うけど3)で考えてみようかなと。

 もう一つあるとすれば、
 4)撮影用の鏡筒を購入して今のBORG100EDをガイド鏡にすると言う方法。
 価格面からすれば3)だけど、4)もありかなとか。
 まぁ、最終的にはなんとかガイド星が見つかっているので、現行のままでしばらくゆこうかなとか。

冷却改造カメラ

 X4が出て検討していたんだけど、噂ではX3から続く流れとして冷却改造は難しいとのことだった。
 どうしようと。
 日曜日の深夜(月曜日の早朝)に20DでISO1600で30分のダークフレームを撮った。ダークフレームとは光の入射を無しにして撮影したもの。光がないから本来は真っ黒けのハズ。

 ダークフレームの全体像。何も強調していない画像です。全然真っ黒じゃない。Blogの画像では結構真っ暗に見えるけど、元画像は白い点々が全面にある。右下に同心円状に熱源が有るのかな。感度が上がれば上がるだけ、温度が上がれば上がるだけ酷くなってゆく。

 こちらは上の一部のピクセル等倍画像。白い点々が全面に。

 気温は15度ぐらいか。計っとけばよかったと思ったよ。
 これらのノイズが星の写真に重畳されて来る。
 で、これらのノイズは熱が原因の場合が多いので温度を下げればいいと言うことで冷却CCDとなる。
 専用のカメラはあるんだけど、そちらではカメラレンズがつかないので市販カメラの改造機を探すんだけど、価格が高い。
 だけど、このノイズを見てしまうとなー。見るんじゃなかった。

 実際には撮影したダークフレームを星の写真から引くダーク減算と言う処理をするんで目立たなくはなるんだけど。ノイズなんか最初から無い方が良い。
 改造機は高い上にメーカ保証が受けられなくなる。
 考えてしまう。

ピントチェッカ

 悩みといえば、天体望遠鏡の場合ピントの山がどこに来ているかよく分からないというのがある。
 フツーのカメラレンズではAFと言う便利なものがあるけど、望遠鏡を使う場合にはそんなものは使えない。のでいろんなことを考えた。
 ずいぶん昔に、通称「豚の鼻」をやってみた。けど、やっぱり使えない。
 そもそも暗くて小さい星相手にあの小さいファインダーを使って目視でピントの山を探すこと自体無理。で、ライブビューは私の20Dでは使えないので昨今は実際に自動追尾しながらヘリコイドを調節しながら星を撮ってみて、撮った複数枚の写真をカメラの液晶で拡大表示して見比べながらピントの山を探していた。
 これが結構辛い作業です。望遠鏡の対物レンズが上にあるときにはカメラの液晶面は下向き。地面とカメラの液晶のあの微妙な距離に中腰の姿勢で入り込み液晶を見る。足やら腰やら首やら目やらが辛い。
 で、このピントの山出しの作業を改善するためには、まず20DとPCを繋いで、撮影画像を逐次取り込むことと、ピントの山を見つけやすくすること。
 ピントの山を見つけるための工夫としては回析光を使うやり方が良いらしい。回析光とは、例えば反射望遠鏡で撮った写真で明るい星の中心に十字の光芒が伸びている、あの十字の光芒である。あの光芒は反射望遠鏡の主鏡の前にある副鏡を支える十字のピラーによって回析した光が作る。で、あの光芒の太さが一番細くなった時がピントの山だという話。
 私が持つBORG100EDのような屈折望遠鏡には回析を起こすようなピラー様の物はない。要は対物レンズ前に十字の棒を取り外し可能な状態で固定すればいい。
 調べてみたところ、焼き鳥の串で作ったと言う例があったので早速作った。

 フツーの料理用の串をマジックで黒で塗り真ん中を木綿糸で十字になるように縛った。接着剤で固定した。望遠鏡のフードに付ける部分はプラスチック製のクリップを使っている例が多かったが、私はプラ板を「く」の字に折り穴をあけて串に通した。プラ板が戻る力でプラ板と串の間の摩擦で固定される。動かすときはプラ板の開いた側を摘めば動く。フードと接する部分は滑らないようにホームセンタで買ったスポンジゴムをボンドで貼った。

 実際にBORG100EDの頭に付けた様子。赤道儀に載せて振り回したぐらいじゃ落ちない。
 レンズにゴミが乗ってるな。掃除しないと。

 実際にミザールを撮って調整した結果。
 光芒が出ているのがわかる。このときは20Dの液晶で調節したので光芒を使って調節はしなかった。暗すぎてよく見えなかったせいだ。こうやってPCで等倍にしてみたら良く分かる。
 実際に回析光で調べるときは後述するようにまず、フィルターはひとつにした上で、光芒がはっきりするように露出時間か感度を設定する必要があると思う。

 ちなみにアルコルは左下。ミザールはAとBが分離している。

 ピントチェッカはカメラレンズを使って撮影する際にも使える。
 20Dは天体改造カメラで、CCD直前のフィルタが除去されている。そのため、一般のカメラとはピント位置が違う。また、星像が小さいため望遠鏡以上にピント出しが難しいのではないかなと。
 まだ、試してないので今度135mmとか50mmで撮るときに使えるかどうか試してみよう。

 で、5月17日の早朝にいろいろ撮ってみたんだけどアホなことにLPS-P2-FFフィルタとSC64を同時に使ったため撮れた絵が暗くてノイズばかりが目立つ結果になった。
 それでもM13球状星団はまぁなんとか形になった。

 これでISO1600で30分露出。2枚コンポジット。20DにLPS-P2-FFが入っているのを確認せずに撮影に入った私の失敗。途中、何か暗いなと思った。そん時に確認しておけば。
 いや、ミザールでアライメントした後にM101を導入しようとしたら赤道儀が反転して...。焦っちまって。
 これからもっと気をつけよう。

 ちなみにこれが今の望遠鏡での撮影システム。

 GPD赤道儀、Gaidewalk。光学系は左からBORG60n(ガイド鏡)、ファインダー、BORG100ED(撮影用)。PC等の備品は横の壊れかけたキッチンテーブルに置いています。
 人間様は横で双眼鏡で空見ています。