Interopでの音

 何しに行ってるんだかと思うけど、例年の楽しみになっているのも確か。
 毎年、一軒だけある。オーディオ屋さん。あんなところでオーディオ売ってどうするんだろうと思うよ。IT関係の展示会のど真ん中でね。それも希少価値があるという触れ込みの物を。

 製造元はVICT●Rさん。スピーカはフルレンジ一発。このフルレンジがすべて。
 北海道のカバの木をプレスで圧縮して圧縮して、剛性を増したらしい。ウッドスピーカと言えば大建工業だったかどこだったかが大昔に木のフラットスピーカを出していた。結構な値段がしていたが音はものすごかったらしい。売れたという話は聞かなかった。フラットスピーカと言えばSONYさんがハニカム構造のフラットスピーカを出していた。剛性が要求されるのでこういった構造になる。小理屈言えばフラットスピーカはコーン紙のふつうのスピーカからすれば形状的にアドバンテージがあるが、スピーカの主流になったことはなかったのでまぁその程度のものだったんだろう。

 このスピーカ、「木の温もりが」等と眠たいことを言わずに圧縮して剛性を出してスピーカのコーン紙を止めて突き詰めたところは評価できると思う。
 なんで木を使ったかと言うと、圧縮したカバの木は減衰特性が良いからということらしい。減衰特性のグラフの比較があった。前の音が出ているうちに次の音が出ると音が濁るからということらしい。適度に減衰したほうが良いという説明であった。
 紙やアルミはこの減衰特性が良くないということらしいが、私の意見は違う。減衰特性などに期待せずに強力なパワーアンプの制動力でフラフラ動くスピーカを止めてしまえと。私たちの意見はこれ。クラスAとかBとかでは無くアンプはすべてスピーカに1台。BTL接続でガンと動かして制動する。それゆえ、小音量からでもきめ細かな音が望める。
 ボリュームを絞ってどうなるという問いに、デジタル的に低域などをブーストするという感じ。実際にボリュームを絞ってもらったら量は出ているが鮮度が落ちまくった。

 で、問題はここだと思う。
 昨年も書いたが、Interopのような環境で音を聴かせるためにはボリュームが大きくなる。そうすればスピーカも良く動く。だいたいのシステムはボリュームを上げれば良い音がするように聞こえる。実際音の鮮度も上がる。
 で、こういった環境で音を聞いてびっくりする。買って帰る。自宅で聞く。ボリューム上げられないからいい音がしない。Interopの会場で鳴らしたようなボリュームで自宅で鳴らしたら近所迷惑だし家人に迷惑だ。
 あのシステムも自宅に届いて繋いで聴いたらがっかりするんだろうな。そのあと、こんなはずじゃなかったと思い、無理やり納得するかどうするか。

 いえね、自宅のCDラジカセとかミニコンポとか、ちゃんとボリュームを上げたら結構ちゃんとした音がするんよね。あいつらは結構ポストパフォーマンスがいい。趣味とか妙ちきりんな見栄さえなければCDラジカセとかミニコンポとかで十分だと思う。

 そのシステムは28万円と聞いた。ちゃんと鳴らせないものに28万はないと思うよ。
 ちなみに私はあのスピーカだったら一本3万だったら買ってもいいかな?左右で6万。アンプとかCDとかは一切いらない。でうちのシステムに繋いで鳴らしてみたらどんな音がするんだろうか。