片付けの合間の音楽(LP篇)
年末になりやっと時間が取れたので腐海と化している部屋にアクセスする気になった。
部屋の片付けをやっていると時間がたつにつれていままでいろんなものに阻まれて接近が出来なかったものへ接近できるようになってくる。部屋の片付けがあらかた終わって部屋の隅のテーブルの下に置いてあるレコードプレーヤへの接近が可能になった。まずやったことはレコードを引っ張り出して針を乗せる事だった。
夏頃に針をOrtfonのSPU-AからDENON(デンオンではなく最近ではデノンと言うらしい)のDL103SAに換装して何度かしか聞いていなかった。あまりにも音が早すぎて潤いが無かったので聴く気にならなかったせいである。
秋になりオーディオの師匠といろいろ話しターンテーブルシートを交換してみようと思い立った。しかしその頃には部屋は腐海と化しレコードが聴ける環境ではなくなっていた。
今回ようやくプレーヤにアクセスできたので早速ターンテーブルシートを交換した。
もともとSPU-Aの時にはセラミックのターンテーブルシートを2枚敷きしていた。そのうちの一枚を撤去し替わりにThorensのターンテーブルに付いていたらしい黒いゴムのターンテーブルシートに替えた。
吉田日出子の上海バンスキング。
- アーティスト: 吉田日出子
- 出版社/メーカー: プライエイド
- 発売日: 2007/02/21
- メディア: CD
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スクラッチノイズが多い。B面2曲目のLAZY BONES。古いLPである。吉田日出子が例の調子でかったるく粘り強く歌っている。出だしのピアノが鮮烈で良い。
SONNY ROLLINSのSAXOPHONE COLOSSUS。
- アーティスト: Sonny Rollins,Max Roach,Doug Watkins,Tommy Flanagan
- 出版社/メーカー: Prestige
- 発売日: 2006/06/13
- メディア: CD
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A面1曲目のST.THOMAS。名前は知らない人も多いかもしれないけれど聴けば判ると思う。出だしのドラムにソニーのサックスが絡んでゆく。どちらのパートも切れのよい低域が出なければがっかりであるが、ちゃんと切れている。ドン(ドスンじゃないよ)とかバフッって感じ。楽器の持つ空気感が伝わったので合格。
CAROL KIDDのALL MY TOMORROWS
- アーティスト: Carol Kidd
- 出版社/メーカー: Linn Records
- 発売日: 1998/01/08
- メディア: CD
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A面4曲目のMy funny valentine。B面1曲目When I dream。4曲目のHaven't we met。CAROLの声、可愛らしくも色気のある声が伸びるかが勝負。このLP/CDから数曲が韓国映画のシュリに使われている。
スーパー・ギター・トリオ・ライブのFRIDAY NIGHT IN SAN FRANCISCO。
フライデイ・ナイト・イン・サンフランシスコ?スーパー・ギター・トリオ・ライヴ!
- アーティスト: ジョン・マクラフリン,パコ・デ・ルシアアル・ディ・メオラ
- 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックレコーズ
- 発売日: 2001/03/23
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A面1曲目の地中海の舞踊/広い河。アル・ディ・メオラとパコ・デ・ルシアの超絶技巧のギター。私のチェック用レコードである。前回は早すぎて味気のないカサカサした感じの音だった。今回はギターが走りすぎず、だけど緊張感と程よい潤いを持って音が出ていた。超絶技巧で色気があってよい。
エラ・フィッツ・ジェラルドのエラ・イン・ベルリン。
- アーティスト: エラ・フィッツジェラルド,ポール・スミス,ジム・ホール,ウィルフレッド・ミドルブルックス,ガス・ジョンソン
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2005/09/14
- メディア: CD
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B面ラストのHow High The Moon。これは録音はあまり良くないみたい。だけど、How High The Moonが好きなんです。かわいい声を出したり、ぶりって感じの声を出したり、ルイ・アームストロングと歌っているCDもあったな。どこ行ったんだろう。
エラ・イン・ベルリンで今残っているのはCDのみかと思ったけど、これはLPも出ているみたい。
Teddy Wilson Meets Eiji Kitamura
これはさすがにはまぞうに無かった。
B面4曲目のAfter you've gone。テディーのピアノと北村英治のクラリネットが見事に絡む。どちらの楽器も綺麗に出そうと思ったら難しい。だけどOK。
CANTATE DOMINO
- アーティスト: Cantate Domino
- 出版社/メーカー: Proprius Records
- 発売日: 1997/11/17
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B面1曲目 IL EST NE LE DIVIN ENFANT。2曲目のJULSANG。
聴く時期が1週間ほど遅れた。
教会音楽で合唱団とパイプオルガンが絡む。教会で歌っているのでその空気感が出るかが勝負だけど、それもOK。
CARIOCAのPale Moon
- アーティスト: CARIOCA
- 出版社/メーカー: キティMME
- 発売日: 2001/03/23
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1曲目Nino、2曲目TALGO。
佐藤正美のギター。静かなNINOとアップテンポでスリリングなTALGO。TALGOの弦を擦る音がいい。こうしてみると自分は結構ギターが好きなのかもしれない。
PAGANINI ENSEMBLEのSMOKE GETS IN YOUR EYES
- アーティスト: Kantorow
- 出版社/メーカー: Denon Records
- 発売日: 1995/04/16
- メディア: CD
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これは師匠がCDを持っていて私も探していたら某オークションでLPがひっそりと出品されていて、誰も買い手が付かずに落札できた。スタジオ録音だけどふわっとしたバイオリンの感じが出ないと台無しになる曲がある。また、カルメンは緊迫感が伝わるかどうか。このLPは聞いている最中にAudacityを立ち上げてPCに取り込みを行った。針を乗せたのが2回目なのでスクラッチノイズも無かった。これから空気中に暴露するたびに埃を引き寄せてどんどんノイズが増えてゆく。デジタル化するならば今のうちである。
今回はまぞうで見てみたが、結構な種類がCD化されている。無かったのはTeddy Wilson Meets Eiji Kitamuraだけだった。
CD化はされていても正直LPのほうが音が良い。静寂感もある。不思議なものだ。
久しぶりに聴く我が家のオーディオは殆ど問題は感じられなかった。オーディオを聴くときは耳はシステムの粗探しをする。気になったらもう音楽は聴けなくなる。しかし、今日は音ではなく音楽に入り込めた。
で、DL103SAは良く鳴ります。下手な針より何倍も良いです。すでにLPは骨董と化そうとしています。当時の技術ではここまで行かなかったんでしょうね。今の技術でDENONが本気をちょっと出せばこんなものであると。
こんな針を出されるといままで何を苦しんできたのか良く判らなくなります。確かに一昔前のあたりのメノウ光悦には負けます(光悦はそのときに製作者の手に入った部品によって仕上がりが違うらしいです。あたりとはずれがあるということらしいです。師匠は3本持っていますが、一つはあたりで二つははずれらしい。カンチレバーの取り付け角度が浅いのがあたりで深いのがはずれらしい)が、これだけ上から下まで抜け良く出してくれれば、少なくとも音楽ファン寄りのオーディオマニアの私としてはこれで十分以上です。