オーディオの師匠の野望

先ほど、オーディオの師匠と話をして、師匠の野望について書いていいとのお許しが出たので書くことにした。
師匠は凝り性である。最初に会ったのはかれこれ30年ほど前。最初にお宅にお邪魔した時に自宅のお部屋の片側の壁をスピーカが占有していた。三菱の2S305。その後の我々の軌跡の中ではそれほどでかいものではなかったんだけど、その当時、オーディオを始めてもいない私の眼には圧倒的に映った。その2S305にGOTOのドライバーと、メーカーは忘れたけどリボンツイーターを合わせてあったと思う。
暴れ馬のGOTOのドライバーにもっさり系の2S305の30センチウーファー、繊細な音が信条のリボンツイーターを確かネットワークで鳴らしていたと思うけど、今考えるとこれでは正直音にならないのではないかと思う。けど、その当時はあまりの迫力に圧倒された覚えがある。
この時の衝撃が私のオーディオの始まりになったのではなかったのかな。
いろいろ、お付き合いした。夜中にあちらこちらのオーディオ屋を師匠と回り勉強させて(ネタにさせて)もらったりもした。
今回の師匠の野望で私がお手伝いしないと宣言した野望は、壁一面のスピーカー計画。38センチウーファーを全部で24発使うらしい。ウーファーのメーカはJBL,アルテック、TAD。私的にはTAD以外はお呼びじゃないけど、世の中的には名の知れた名品ばかりである。
それにドライバーは375やらガウスやら2インチドライバーを中心に。ツイータは聞かなかったたけど、2405とか075とかは名前が挙がっているのではないかと。375とガウスはまだ新品じゃなかったかなー。
テーマは「風を感じる」とのこと。普通のスピーカーシステムではなかなか感じることができない空気感を感じてみたいらしい。
それらのスピーカを幅4メートル、高さ3メートルの中に押し込む。総重量は1トンを越えるのではないかと。スピーカが落ちてきたら死ぬしフレームが倒れてきても死ぬ。フレームは最終的には天井の梁からロープで引っ張って固定するそうな。それ以前に38センチのウーファーユニットをどうやって3mの高さまで上げるんだろうか。師匠はその心配もしていたけど、自分が作業中に3mから落ちる心配もしていた。
あと、問題は電力だよな。動力が引っ張ってあるから大丈夫だとは言っていたけど、200Vだから100Vに落とさなければならない。今度はトランスが火を吹かないかちょっと心配。アンプの電源を一度に入れなければ大丈夫、と言ってはいたけど。
こう書いていると、少しわくわくしてきてだんだんその気になってくるから不思議だな。あまりにバブリーな計画だったので正直鼻についていたんだけど、普通には空気感と言うのが再現できないのも確か。
このシステムで一度デューク・エリントンの公爵演奏会の第1曲目のTake the A-Trainのバスドラムの「ドンドン」と言う空気感、吹き抜けるトランペットを聴いてみたい。