スピリット・リング/ロイス・マクマスター・ビジョルト

読了

スピリット・リング (創元推理文庫)

スピリット・リング (創元推理文庫)

魔法使いとキリスト教とか異端審問の関係ってどうなっていたのかよくわからないんだけど、時代としてはその時代のイタリアが舞台。魔術師はキリスト教の監督の下、鑑札をもらって魔法を売っている。キリスト教会の監督下で魔術師は生存を許されあまつさえ魔術を糧にすることが許されている。
大魔術師で金銀細工師の父親を殺されあまつさえ、死霊として使役させるために指輪に封じ込められようとしたフィアメッタはそれを阻止するべく征服者である領主と側近の魔術師に挑む。
ビジョルトの書く女性は本当に生き生きとしている。チャリオンの影のイセーレ、影の棲む城のイスタ、そして今回のフィアメッタ。支えてくれる男の手はあるにしろ敢然と立ち向かってゆく姿はダイナミックで痛快である。
ビジョルトの書くSFは1冊だけしか読んでないんだけど、そのSFよりこういった中世を舞台にしたファンタジーの方が面白いと感じている。