死せる魔女がゆく キム・ハリスン

読了。

なかなか、いい感じ。
遺伝子操作の結果生まれた強毒性のウィルスで人類の多くが死んだと言うところは小松左京の「復活の日」を髣髴とさせる。と、ここまで書いて下巻のあとがきを読んだら同じようなことが書いてあった。知っている人間なら誰でもそう思うよな。
で、違うのはその先で、それまで多数の人類の陰に隠れていた異世界人(魔女、吸血鬼、狼男、フェアリー、ピクシー等)が表舞台に現れて来た。そして人類と何とか共存してやっていっている。
話はぜんぜん暗くない。主人公のレイチェルの性格に寄るところも大きいが作者は異世界人がその本来の性格のままに明るく物語を闊歩させている。
人物描写もしっかりしているので安心して読めた。
吸血鬼のアイヴィの性格と行動が物語を深くしている。彼女はまだまだ秘密がありそう。
あと、死んだわけではない元上司のデノンの存在も気になるし、ニックも裏がある。

まぁ、買いだね。
続きもあるそうで、まだ邦訳されていないが、次が出るのが楽しみだ。

次が楽しみと言えば、「老人と宇宙」のスコルジーも次の邦訳が出ないな。

はてな年間100冊読書クラブ:17,18