たそがれに還る、そして光瀬龍

光瀬龍さんの作品は大昔に読んだ。
百億の昼と千億の夜」、宇宙年代記シリーズ、「喪われた都市の記録」、「東キャナル文書」等等。
どれもこれも滅びの物語で、そのなかでも一番好きだったのが「たそがれに還る」である。
全てハヤカワJA文庫だったと思う。
実はこれらの作品のことはほとんど忘れていたんだけど、思い出させてくれたのが例の「長門有希の100冊」である。
しばらく積読がたまって動きが取れなかったんで読めなかった。その中には涼宮ハルヒの憂鬱のNovelと漫画の両方が一角を占めていたんだけど、それらの退治も終わり積読の処理がだいぶ進んだので本棚の探索をおこなったがどうも捨ててしまってたらしい。光瀬さんの本で残っていたのはハヤカワ版の「東キャナル文書」と「辺境5320年」。
で、どうしても読みたかったんで「たそがれに還る」と「宇宙救助隊2180年」をamazonで注文したら届いた。
この「たそがれに還る」の誕生は私の誕生に近い。内容的に古い部分はたくさんある。それは仕方がないとしても、やはり読み応えがあった。終わりがけの調査局員シロウズと金星エレクトラバーグ市長のヒロ18のやりとり。全てが終わったことを知った時の副主席ソウレの想い。どうしようもない滅びへの道とそれでも抗う人間たちの物語です。久しぶりに堪能しました。
「宇宙救助隊2180年」を含む宇宙年代記シリーズはハヤカワ時代から再編されているみたいで以前は3冊だったものが年代順に2冊に再編成されている。
「宇宙救助隊2180年」で好きなのは「墓碑銘2007年」、表題作の「宇宙救助隊2180年」、「標位星2197年」ですね。
「墓碑銘2007年」では有人宇宙船が木星まで行っている。人類は物語において行かれましたね。
こちらもツマミ食いみたいな読み方ですが、堪能しました。
家に入りきらなくなって捨ててしまったりブックオフに売ったり、図書館に寄付した本は大量にある。
そうやって手放した本で後悔する本はあまり無いけど光瀬龍の本だけは後悔しました。

喪われた都市の記録〈上〉 (ハルキ文庫)

喪われた都市の記録〈上〉 (ハルキ文庫)