木工ボンドパックについて

昨年の年末にLPを復活させた。その際にノイズが乗るLPに対してとった方法についての備忘録である。この記事を読んでこの通りにやって失敗しても当方はまったく責任は持たない。


まずパックの効果だが、ボロボロのLPも含めて結構綺麗なると結論できる。ただ、当然の如く、傷が入るなど物理的な損傷には効果がまったく無い。(当たり前だ)
カビ程度には効果的。


また、事前に中性洗剤などで盤面を洗っておいたら良い。


作業時の注意としては、レーベルのところには水も洗剤も木工ボンドもかけない方が良い。音質重視だからレーベルなど眼中に無い、レーベルを台無しにしてもかまわない方はこの限りではない。(そのほうが作業的には面倒が無くてよいかもしれないが、LPの個体識別やら裏表の識別が困難になるのでお勧めはできない)


作業に使うボンドはコニシ製のものよりセメダイン製のものが硬化後もビニルのような弾性を残していて良かったように思える。ただ、この優劣に関しては最終的な判断ではない。


実際に盤面にボンドを塗る方法についてはいろいろなやり方があるとは思うが、私は若干希釈された木工ボンドを使うのが良いと思う。
木工ボンドの原液のままだったら細いレコードの溝に十分に入っていかないためだ。原液のままの木工ボンドは私のところではあまり効果が無かった。
また、あらかじめ希釈したボンドを塗るのも良いが、私は盤面に木工ボンドを塗り広げながら水で指で湿らせながら行った。
作業台は、あまっていたThorensのゴム製のターンテーブルシートを用いた。ゴム製なので滑らないので具合が良い。


やり方は盤面に木工ボンドを盤の中心から外に向かって搾り出す(逆でもかまわないと思う)。盤面を16分割する程度に木工ボンドを搾り出したら、後は指を水で湿らせながらボンドを塗り広げて行く。
塗り広げてゆく際にはレコードの溝に十分にボンドが入るように指先で刷り込む。
作業には時間がかかるので最初にボンドを絞っておいたところは若干乾いているところもあるが気にはしない。木工ボンドは仮に硬化していても水に触れると溶ける。水のついた指で根気良く擦るといずれは溶ける。
最後に、レコード盤の端のボンドが塗ってある部分に短冊状の紙(私の師匠はビニール片)をくっつける。
ボンドの塗布作業はこれでお仕舞い。硬化まで待つ。(概ね1Day)
硬化は必ず自然乾燥で行うこと。間違えてもドライヤーなどを当てないように。


硬化の確認は簡単で、盤面全体に白いところが無くなり、透明になっていれば硬化完了である。
レコード端にくっつけた紙を持ち上げるように引っ張りボンドを剥がす。
鬼のようにくっ付いている場合もあるが必ず剥げるのでレコード面に傷をつけないように剥がす。
ボンドが残ってしまった部分は、セロテープかガムテープをその部分に貼りゆっくり剥がせば取れる。一度や二度では剥がれない事があるが根気よくやっていれば必ず取れる。
どうしても駄目な場合にはその部分に木工ボンドの原液をつけて硬化後剥がせば取れると思う。


この作業を終えれば、見違えるほど静かになり透明感が増したLPを楽しむことができる。
これでもノイジーな場合には場合には、中性洗剤による洗浄を念入りに行って再度木工ボンドパックをすれば良いと思う。それでも駄目なら別な原因を疑うべきだと思う。
また、水による洗浄作業のみでは我が家の水の場合水の硬度が高くて炭酸カルシウムが析出してしまい、再生時のノイズの原因になる恐れがあるので最後は必ず木工ボンドパックをすることにしている。


とりあえずの備忘録であるが気付いたことがあれば付け足そうと思う。