おうし座

CANON EOS KissX4(改造) SAMYANG 35mmF1.4 (Astronomik UV-IR-Block)
LEEフィルタ ソフトNO.1 F4 ISO3200 180秒 6枚コンポジット
PhotoShopCS5にて現像
TG-SP2赤道儀にてノータッチガイド
2011年12月27日撮影。撮影地は熊本阿蘇外輪山南麓。

 自分自身が星座の形をよく知らないから撮れるだけ撮って形がわかるようにしようということで始めた星座シリーズ。
 今回はおうし座。黄道12星座の一つ。前回のおひつじ座よりかなり見栄えがする。
 左側の冬の天の川につのを突っ込んだ姿で、下側のツノの少し上側にかに星雲(M1)が写っているのがわかるかな。天体としては小さいのでこの画角では光の点にすぎない。この天体は超新星の本には大概登場してくる。日本の古文書にこの星が超新星になった記録が残っている。まるで木星のように輝いたらしい。
 今話題のオリオン座のベテルギウスかに星雲の元になった超新星より距離が近いため満月みたいに明るく輝くらしい。

 ツノの付け根、画角の真ん中のちょっと下にこの写真では一番明るい星とその周辺に明るめの星が左に倒れたV字のように並んでいる。明るい星がアルデバラン、周囲の星団はヒアデス星団という散開星団です。クトゥルー神話の中に出てくるハスターと言う旧支配者はこのヒアデスの古代都市カルコサの近くにある黒きハリ湖に幽閉されているという。アルデバランとも関連付けられるが地球との距離はアルデバランのほうがだいぶ近い。宇宙規模の旧支配者だが地球というローカルな星を中心とした座標系に縛られているのも面白い。

 写真の右上にある星の塊はM45プレアデス星団。有名な昴。オリオン大星雲のトラペジウムみたいな所で出来た星団が少し時間を置いて広がってまだ周囲に星間雲をモヤらせているのがプレアデスで、それより時間がたってまたもう少しヒアデスのようにバラけてしまう。もっと時間がたったら北斗七星を形作るおおぐま座運動星団みたくバラけてしまってゆく、らしい。
 わが太陽も同時期に生まれた星星があって最初は濃い星間雲の中からやがで薄いベールをまとったみたいになってそのうちそれも消えて惑星を従えて銀河系内の空間を旅している。一緒に生まれた太陽の数倍以上の大きさの星は既に星の寿命を終えているんだろうな。
 太陽もいずれ終焉を迎える。主にヘリウムからなる縮退星と重力の軛を離れた太陽の外層が銀河系空間に広がってゆきいずれは新しい星や惑星の元となってゆく。

 とまぁ、おうし座は星の進化に思いを馳せるにはなかなか楽しいところです。