流れ行く者/上橋菜穂子

 読了。

流れ行く者―守り人短編集 (偕成社ワンダーランド 36)

流れ行く者―守り人短編集 (偕成社ワンダーランド 36)

 バルサ、タンダ、ジグロの若かりし頃の物語。トロガイもちょいと出てくる。守人シリーズでは30歳台のバルサの設定がこの物語では13歳だから、まあほんのがきんちょの頃。ジグロとの放浪で既にバルサの性格の基本的な部分は形成されていて、あのまま大きくなったんだろうと容易に想像できる。
 この時には既にバルサは腕に覚えがある武人をブチノメスぐらいの腕になっているけど、そこまで行くには並大抵じゃないだろう。年端も行かない女の子を連れて追っ手と戦い用心棒稼業を努めるのは大事だ。バルサはそういうジグロの背中を見て育った。と、まあ守人シリーズの前史的な短編集である。前史的だからといって守人シリーズを読んでないと楽しめないかと言うとそうでもなくて、これ単体でも十分に楽しめると思う。
 これまでジグロは思い出の中でしか出てこなかったが、バルサの養父ジグロのひととなりの一端を覗くことが出来た。
 ジグロが幼いバルサを連れてカンバルから脱出する物語もあれば読んでみたいな。
 守人シリーズはアニメがあまりにNHK臭くて最近は全くフォローしてなかったけど、原作に関してはまたフォローしてみようかな。