輝くもの天より墜ち/ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア

読了。

前半分は、ゆったりと物語が進んでゆく。「ザ・スター」の爆発の波面が近付いてくるにつれ物語の緊張感が高まってゆく。「ザ・スター」の爆発の波面が通過するとその爆発の理由が明らかになり、ダミエム人の分泌物を原料とする「星ぼしの涙」にたかる「暗黒界」の手先たちが動き物語は佳境に入ってゆく。
終わり方が冗長だと言う感想を何箇所かで読んだけど、作者の思いの半分はこの終わりの部分にあるんじゃないかなと思う。死とか犠牲とかに何か思い入れがあるように思える。コーに関してはその後の作者の死に様を思うとね。グリーン・ゴーと言う台詞が吹っ切れた人間の台詞に感じる。
ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアの本はずいぶん以前に「たったひとつの冴えたやり方」を読んだ。川原由美子の書く表紙のイラストが凄く印象的だった。実際に読んだのは第1話だけだった。
今回「輝くもの天より墜ち」を読んで、「たったひとつの冴えたやり方」を再読したいと思っている。本棚に残っているかどうか確認してみよう。確か、川原由美子の絵が気に入って廃棄処分にはなっていないと思うが。

ちなみにこの本を買ったのは昨年の8月頃らしい。積読が半年に及んだわけね。

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