星空の二人/谷甲州

読了。

星空の二人 (ハヤカワ文庫JA)

星空の二人 (ハヤカワ文庫JA)

さすが谷甲州。シリアスもハチャメチャもハードだ。
読んでて出てきたのはまず小松左京。「ゴルディアスの結び目」。表題作のゴルディアスの結び目やらあなろぐ・らぶとか。作風は違うかもしれないけれど同じ血は流れている。「パンドラ」でも思ったけど、ここまで重厚にハードに書ける人はなかなかいないと思う。それに結構ロマンチスト。「彷徨える星」とか「繁殖」の描写とかアイディアは「パンドラ」でも見られる。このあたりのリアルさは見事なものだ。
あとがきは林譲治が担当。この人のウロボロスの波動とかストリンガーの沈黙は何度も書いたけど私は好き。少し楽観的だけど、同じ系譜の物語を書く人だと思う。

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