本日のSF(老人と宇宙)

老人と宇宙(そら) (ハヤカワ文庫SF)

老人と宇宙(そら) (ハヤカワ文庫SF)

おもしろかったー!!
タイトルから「老人と海」の洒落なんだろうと当たりを付けたんだけど、原題はOLD MAN'S WARでした。おかしな日本語タイトル付けずにそのままの英語のタイトルを訳するなりして付ければ良いのにと思う。
原作者のジョン・スコルジーハインラインの「宇宙の戦士」に影響を受けたと書いていた。まあ、そんな感じなんだろうと思うけど、僕は「宇宙の戦士」はまともに読んでいない。大昔、「宇宙の戦士」はガンダムの種本の一つであると言われて買ってみたけど何か違和感があって、結局最後まで読まなかった。今だったら読めるんだろう。本はどこかに行ってしまったんで今度買って読み直そうと思っている。
買ってみて読んでみたけど期待と違って結局読まなかった本って結構ある。買う前のその本への勝手な思いこみが強いせいかもしれない。C.J.チェリィの「ケスリス」は49ページで何度も挫折したし、「ダウンビロウステーション」も暫くちゃんとは読めなかった。ブリンの「サンダイバー」もそう。
最終的にはだいたい読んだ。「ケスリス」の続きの「クタス」「ションジル」も、「サンダイバー」の関連の知性化戦争シリーズも。

で、「老人と宇宙」だけど主人公のジョン・ペリーが健康な心とユーモアのある人物として描かれている。妻に先立たれた老人で、そのことで多分心に穴がある。彼は妻の墓参りを済ませた後に地球へ戻れないことを条件に75歳以上しか入隊を認めない軍隊へ入隊する。
異星人との戦闘ではかなり凄惨な描写もあるが、物語が殺伐としないのは主人公の性格と、一度人生を経験した者の目線で描かれているからだと思う。
また、物語中に出てくるスパロウホーク号のゴースト部隊と主人公達の対比も面白い。
主人公達が勤め上げ無事除隊することを期待したいと思う。

この物語はかなり面白い。